社長満足クラブ第66回例会報告

  • テーマ:人が主役のまま、採用を強くする。 — 中小企業のAI活用、リアルな一歩
  • プレゼンター:高木一輝(株式会社KIRINZ 取締役COO)
  • 開催日:2026年10月5日(月曜)18時30分から
  • 開催地:都内会議室(八丁堀駅徒歩5分)

内容概要

  1. 中小企業の採用面接に絞った実践的なAI活用法とは
  2. 質問作成や評価のブレなど、面接現場の悩みを解決
  3. 模擬面談をAIが診断するワークで、面接官の評価力向上を体感しよう

高木 一輝

■経歴 
高木一輝(株式会社KIRINZ 取締役COO)

内装職人・派遣営業・WEB広告代理店・大手金融グループIT・大手デジタルコンテンツ企業を経て独立し、若い世代の育成に係る事業を中心に役員や顧問として数社に参画。
現在はライバー事務所・株式会社KIRINZのCOOとして、経営・組織・事業運営の全体を統括している。

プログラミングは未経験ながら、採用・マーケティング・経営管理といった社内のあらゆる業務にAIを実装し、生産性を抜本的に変えてきた”現場叩き上げのAI実践者”。
とりわけ採用領域では、面接・評価・オンボーディングの現場をAIで作り変えてきた。
「AIは知っているだけでは意味がない。使いこなして初めて武器になる」——その実践知を、中小企業のリアルな採用に落とし込んで語る。。

開催概要

AI活用の話題は、もう十分に耳にしてきた——多くの経営者がそう感じています。「AIは凄い」「こんなことができる」。その総論には、正直、お腹いっぱいかもしれません。

けれど不思議なことに、””知っている””のに””使えている””会社は、驚くほど少ない。 知っている人ほど、どこか怖くて踏み込めない。導入すること自体が目的になって、結局なにが変わったのか分からない——。そんな声を、私たちは数多く見てきました。

今回はその一歩手前、「自社のどの業務に、AIをどう効かせるか」という、いちばん実践的なところに絞ってお話しします。テーマは、多くの中小企業が頭を悩ませる「採用」。

書類選別をAIに任せる、という話は、もう珍しくありません。今回はその””次””——面接(面談)にAIをどう活かすかに踏み込みます。「Z世代の価値観が読めない」「良い質問が思いつかない」「面接官によって評価がブレる」。そんな現場のリアルな悩みに、AIは驚くほど的確に応えてくれます。

そして当日は、「人が行った面談を、AIが診断する」体験ワークをご用意します。面接官役・求職者役として面談していただき、その様子をAIが評価・言語化します。「自分の面談が、AIにここまで見抜かれるのか」——面接官の“目”をAIが拡張する、その感覚をお持ち帰りいただけます。

AIは、面接官の代わりではありません。面接官という専門職の価値を、さらに引き出すための道具です。人が主役のまま、採用を強くする。その具体的な一歩を、実例とともにお持ち帰りください。

こんな方におすすめ:
・「AIが気になるが、何から手をつければいいか分からない」経営者・採用担当者
・少人数で採用を回していて、面接の質や評価のブレに課題を感じている方
・書類選別の””次””の、AI活用のリアルを知りたい方”。

開催報告

 ■ 面接における「人間の構造的な限界」とAIの真の役割
講演は、中小企業が面接において抱えるリアルな悩みからスタートしました。
Z世代の価値観が読み取れない、その場で的確な深掘り質問が思いつかない、そして面接官の機嫌や立場によって評価基準がブレてしまうという「3つの痛み」が共有されました。 高木氏は、これらは「面接官の能力不足ではなく、人間の構造的な限界である」と断言します。
人間が数分間の会話を一言一句正確に記憶し、常に冷静な評価軸で採点し続けることは不可能です。 ここで重要になるのが、AIの役割です。AIは人間の仕事を奪い「代替」するものではなく、人間の能力を「増強」する存在です。経営者を「監督」、現場スタッフを「選手」に見立てた場合、AIは客観的な視点で両者を繋ぎ、目を拡張する「コーチ」として機能します。
あくまで対話の主役は人間であり、AIはその補助を全力で行う頼もしいパートナーなのです。

■ 驚愕のLIVE DEMO:AIが創り出す「ブレない採用基準」
本例会のハイライトは、実際の面接を想定した「LIVE DEMO(体験ワーク)」でした。会場の参加者様にご協力いただき、数分間のロールプレイング面接を実施し、その音声データを文字起こししてAIがリアルタイムで分析する様子が実演されました。
デモで用いられたのは、KIRINZ社が構築した個社対応の採用OS「ヒトメジャーAI」です。驚くべきことに、AIは人間が見逃しがちな「期間を伴う実績の確認漏れ」や「退職理由の具体性の欠如」といった危険シグナルを瞬時に拾い上げました。さらに、応募者の発言の矛盾からストレス負荷の可能性を分析したり、入社後のOJTでどのような指導を行うべきかという育成のパス出しまでをも自動で生成しました。 高木氏によれば、自社のハイパフォーマーや過去の離職者のデータに基づき、自社の文化に合致する「18の変数」をAIに学習させることで、この精度を実現しているとのことです。
優秀な人事担当者ほど面接での会話に集中してしまいがちですが、AIを活用することで俯瞰的なデータ分析を任せ、本質的な見極めに注力できるようになります。

■ AI導入の罠:「放牧」を防ぎ、組織の資産へ
一方で、高木氏は「AI導入で失敗する企業の典型例」についても警鐘を鳴らしました。
それは、ツールだけを社員に渡し、使い方を個人任せにする「放牧」状態です。各人が我流でAIを使うだけでは、会社としての判断基準が揃わず、組織の資産になりません。
最強の組織を作るためには、「ヒト・仕組み・AI」を密接に繋げることが不可欠です。経営層や現場のヒアリングから自社のブレない採用基準(物差し)を構築し、それを仕組みに落とし込み、AIを使って高速に回していく。この一連のプロセスがあって初めて、精度の高い採用活動が実現します。実際にKIRINZ社では、この仕組みを導入後、採用の打率が劇的に向上し、AI導入後に採用した人材の離職者がゼロになるという素晴らしい成果を上げています。

■ 人が本来の「欲」と「熱量」を取り戻すために
講演の終盤、AI活用の究極の目的が語られました。
AIが議事録作成や日報、マニュアル作りといった地味でまどろっこしい作業を巻き取ってくれることで、人は本来の業務に戻ることができます。高木氏の語る「本来の業務」とは、単なる事務作業ではなく、社員一人ひとりが「こうなりたい」「こんなことをやりたい」という強い欲望や熱量を持ち、未来に向かって突き進むことです。
「主役は、いつも人。AIは、その人を強くする道具」という言葉の通り、AIは単なる業務効率化のツールではなく、人間がより人間らしく、ワクワクしながら働くための強力な武器となります。

■ おわりに
例会は、最新のテクノロジーをいかに泥臭い組織課題(採用や育成)に落とし込むかという、極めて実践的で希望に満ちた学びの場となりました。
参加された皆様におかれましても、まずは自社の「ブレない基準」を見つめ直すことから、新たなAIとの協働をスタートしてみてはいかがでしょうか。

プログラム

開始時間内容担当
18:30開会 趣旨説明高田敬久
18:35自己紹介全員
18:40人が主役のまま、採用を強くする。 — 中小企業のAI活用、リアルな一歩高木一輝
19:20質疑応答
19:25振り返り高田敬久
19:55閉会 次回予告

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