
- テーマ: デジタルものづくりと、誰でも使えるSE(?)入門
- プレゼンター:土居 格(株式会社エムオーテックアイデアズ 代表取締役社長)
- 開催日:2025年4月7日(月曜)18時30分から
- 開催地:都内会議室(八丁堀駅徒歩5分)
内容概要
- デジタルものづくりとは何か?
- 複雑なものをどう捉え、どう対応していくか
- SEのエッセンスと活用の仕方
土居 格(どい いたる)

■経歴
土居 格
株式会社エムオーテックアイデアズ 代表取締役社長
株式会社エムオーテックアイデアズの代表である土居さんは、精密メカ設計で5年、シミュレーション開発で6年の豊富な経験を持つエンジニアです。
機械設計におけるガタ、衝突、接触、摩擦、発振、音ノイズ、異常振動などの問題をシミュレーションで再現し、最適な解決策を提案しています。
また、複数の物理分野を高速に連成計算し、最適化アルゴリズムを用いて設計パラメータを最適化する手法や、品質工学を活用したSN比による品質評価を導入し、モデルベース開発を強力にサポートしています。
これまでに180件を超えるシミュレーション開発実績を持ち、数多くの製品開発に携わったノウハウとアイデアを活かして、企業の課題解決に貢献しています。
開催概要
ものづくりの現場には、創造の喜びと技術の奥深さがあります。
しかしその裏側には、試行錯誤の連続や、目に見えない課題の克服が欠かせません。
本セミナーでは、精密メカ設計とシミュレーション開発に精通した土居氏が、自身の経験をもとに、ものづくりの楽しさとその舞台裏、そして技術者ならではの苦労について語ります。
また、日本のものづくりと世界のモノづくりの違いについても触れ、日本企業が持つ強みや、グローバル市場で求められる視点をお伝えします。
海外の技術トレンドや競争環境の変化を踏まえ、これからのものづくりに求められるスキルや考え方を探ります。
さらに、土居氏が起業に至った経緯や、その道のりでの挑戦、学びについてもお話しします。
技術者としてのキャリアから経営者への転身、そしてシミュレーション技術を活かした独自のビジネス展開まで、リアルな起業のストーリーを交えてお届けします。
ものづくりに関わるすべての方にとって、新たな視点や刺激を得られる内容となっておりますので、ぜひご参加ください。
開催報告
以下は、ご提供いただいたメモに基づいて作成した例会報告のドラフトです。社長満足クラブのホームページ掲載用として、2000文字以内で読みやすく構成しています。
第52回 例会報告:「デジタルものづくり」の最前線を学ぶ勉強会レポート
2025年4月某日、社長満足クラブ第52回例会が開催されました。今回のテーマは「デジタルものづくりとシステムズエンジニアリング」。デジタル技術を駆使した“モノづくり”の最新動向を学ぶとともに、経営者として自社にどのように活かせるかを考える、大変有意義な会となりました。
デジタルものづくりとは?
講師の方からは、冒頭で「デジタルものづくりとは何か?」という問いかけがありました。具体的には、製品の試作やシミュレーションをコンピューター上で行い、時間やコストを大幅に削減する取り組みが紹介されました。
たとえば、木製のスマホスタンドの開発では、地震の際にスマホが落ちる危険性があるという課題に対し、試作品と人工地震を使った実験を実施。さらにコンピューター上で転倒リスクをシミュレーションし、安全性を検証したとのことです。
他にも、橋のたわみ具合を通行時にシミュレーションしたり、自動車事故や段差走行のシミュレーションなど、幅広い事例が紹介されました。

システムズエンジニアリングという学問
印象的だったのは「システムエンジニア」とは別に、「システムズエンジニアリング」という言葉が登場したこと。これは学問としての体系があり、「入力→処理→出力」というシステムの構造を全体として捉え、最適解を導くための思考法です。
例えば、カトラリーセットの整理においても、全体を俯瞰し、分類し、整理するというプロセスが必要であり、これはシステム思考そのもの。スーツケースの中身を「使用頻度」や「機能」で分類するという考え方も同様です。

バーチャルで音も作れる時代
また、ものづくりの世界では「感性」すらもデジタル化の対象です。ボールペンの“ノック音”をバーチャルで再現する試みでは、実際に心地よいと感じる音に近づけるための研究が行われています。単なる形状だけでなく、音や感触までをシミュレートしながら製品開発ができるという話には、一同驚かされました。

SEをビジネスに活かすには?
質疑応答では「このようなシステムズエンジニアリングを、自社ビジネスにどう活かせるか?」という問いが投げかけられました。
参加者からは「配膳ロボットの動作に安全性を持たせるためのシミュレーション」や、「手すりのサイズをAIで自動的に設計する」などのアイデアが出され、具体的なビジネス活用のヒントを得る場にもなりました。
今や、アイデアを“試しながら考える”ことが、誰でもできる時代になりつつあります。コンピューター上で仮想的に試作・検証できる技術は、従来の製造業だけでなく、サービス業やソフトウェア業界、さらには中小企業の新商品開発にも大いに応用が可能です。

終わりに
今回の例会では、技術や工学の話にとどまらず、私たち経営者にとって「どうすれば無駄を省き、顧客にとって価値あるものを早く届けられるか?」という本質的なテーマを考える時間となりました。
「ものづくり」や「システム思考」は、製造業だけのものではなく、業種を問わず“未来を創る”ための大きな武器となるでしょう。参加者一同、大いなる刺激と学びを持ち帰ることができました。
プログラム
開始時間 | 内容 | 担当 |
18:30 | 開会 趣旨説明 | 高田敬久 |
18:35 | 自己紹介 | 全員 |
18:40 | デジタルものづくりと、誰でも使えるSE(?)入門 | 土居格 |
19:20 | 質疑応答 | |
19:25 | 振り返り | 高田敬久 |
19:55 | 閉会 次回予告 |