社長満足クラブ第57回例会報告

  • テーマ: 心理学を知ると分かる、人の見分け方
  • プレゼンター:鈴木 大輝(合同会社BlueStar代表)
  • 開催日:2025年11月6日(木曜)18時30分から
  • 開催地:都内会議室(八丁堀駅徒歩5分)

内容概要

  1. 人の性格とは何か
  2. 性格判断のポイント
  3. 性格分類からわかるコミュニケーション手法

鈴木 大輝


■経歴 

鈴木 大輝(すずき だいき)
合同会社BlueStar代表

初めまして、合同会社BlueStarの鈴木大輝です。


私はもともとJAXAで研究員兼エンジニアとして勤務し、科学技術の研究と開発に携わってきました。
その後、専門的な研究情報を一般の人にも分かりやすく届けることを目指して会社を立ち上げ、現在は心理学の研究で使われている診断テストをもとに、採用・マーケティング向けに性格診断・心理測定ツールを設計・開発しています。

科学的根拠に基づいた診断を、実生活やビジネスで活かせる形に落とし込むことを目指しています。

開催概要

人の性格は約50%が遺伝で決まり、残りは成長過程の人間関係で決まると言われています。一方で一般に言われているような血液型や生年月日による寄与はほとんどないことがわかっています。

とはいえ、性格は捉えどころがないもの。人事や採用で人を性格に判断するにはどこを押さえれば良いのでしょうか。

実は心理学研究では人の性格を分類する試みが1900年の前半から続いていて、ビックファイブと言われる診断で世界中の心理学者に活用されています。

そこで今回は、どんな点に注目すると相手の性格を短時間で、なるべく正確に捉えられるかを解説します。。

開催報告

11月6日に開催された社長満足クラブ第57回例会では、合同会社BlueStar代表の鈴木大輝さんをお迎えし、「心理学を知ると分かる、人の見分け方(仮)」をテーマにお話いただきました。会場は八丁堀駅そばの会議室にて、18時30分開始。経営者・幹部を中心とした参加者が集い、心理学の基礎知見を実務に活かす実践的な示唆が多数共有された充実の90分となりました。

冒頭、主催者から趣旨説明の後、参加者全員による自己紹介があり、場が温まったところで鈴木さんのプレゼンに移りました。鈴木さんはご自身の経歴(JAXAでの研究・エンジニア経験を背景に、研究ベースの知見を社会実装する取り組み)を手短に紹介され、続いて「人の性格とは何か」を平易に整理していただきました。ここでは「性格は約50%が遺伝、残りが育ち(人間関係)で決まる」という心理学的な前提や、血液型診断や生年月日論のような根拠の薄い手法との違いを丁寧に説明。経営判断や人事判断において、信頼できる指標を用いる重要性が強調されました。

本例会の核となったのは『ビッグファイブ(Big Five)』を軸にした性格理解の実務的な使い方です。外向性・協調性・開放性・誠実性・神経症傾向(メンタル)という5つの因子を紹介し、それぞれが職務適性やチーム内での関係性にどう影響するかを具体例で示されました。講義は実践重視で、参加者には簡易診断の体験とその解説が行われ、結果の読み取り方(平均値の解釈や相関関係の考え方)まで丁寧に扱われたため、すぐに自社で活かせる「使える知識」として受け止められました。

特に経営者の関心を引いたのは「性格診断のビジネス活用事例」です。鈴木さんは採用適性や離職分析、研修設計での導入事例を挙げ、不動産営業会社での離職傾向分析(協調性の高さが退職要因につながった事例)や、劇団でのリーダー育成に用いたケースなど、現場での有効性を実証した話を共有してくれました。これにより、単なる学術的興味ではなく、採用・配置・研修・メンタルケアといった経営上の意思決定に直結するツールとしての可能性が具体的にイメージできました。

また、診断結果の解釈に関する注意点も重要な論点となりました。「平均を上回ることが常に良いわけではない」「誠実性が高くメンタルが弱めの社員は優秀でも燃え尽きやすい」「見た目の回答が良くても信頼性指標で発覚する『いい子回答』には注意が必要」など、データの読み間違いで起こりうる運用上の落とし穴に関する指摘は、参加者の表情を引き締めました。

質疑応答では、「部下の扱い方をどう変えればよいか」「ジョブローテーションや配属の判断に使えるか」といった実務的な質問が相次ぎ、鈴木さんは行動特性に基づいた接し方、ジョブマッチングの考え方、定期測定の推奨頻度などを分かりやすく助言しました。参加者からは「この診断を自社の人事に導入したい」「まずは簡易版を試してみたい」といった前向きなコメントが多く寄せられ、会場は導入検討ムードに包まれました。

最後に鈴木さんから、BlueStarでは科学的根拠に基づく診断ツールを企業向けにカスタマイズして提供している旨の案内があり、簡易版の無料提供や採用用途での詳細グラフ作成などのサービスメニューについて触れられました。参加者は具体的な導入フローや費用感について質問を続け、交流タイムには登壇者と直接意見交換する場面も見られました。

今回の例会は、学術的に信頼できる性格モデルを経営判断に落とし込むための示唆が満載で、参加者が自社に持ち帰ってすぐ試せる実践的な知見が多数得られたことが特長です。性格理解は採用の精度向上や離職予防、研修設計において即効性のある道具になり得ます。次回以降も、実務的な学びにつながるテーマを取り上げてまいりますので、ぜひ多くの経営者の皆さまのご参加をお待ちしております。

プログラム

開始時間内容担当
18:30開会 趣旨説明高田敬久
18:35自己紹介全員
18:40心理学を知ると分かる、人の見分け方鈴木 大輝
19:20質疑応答
19:25振り返り高田敬久
19:55閉会 次回予告

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